バイク車検に通るマフラーの音量は?年式別の騒音基準やよくある対策について解説

社外マフラーを取り付けていると、バイクの音量が車検に通るか不安な方もいるのではないでしょうか?

色々とカスタマイズしやすいマフラーですが、基準を満たしていないとバイク車検には通りません。
安全性はもちろんのこと、マフラーの音量も検査項目の一つなのです。

そこで今回の記で事は、バイク車検に通るマフラーの音量や騒音基準について解説していきます。
車検に通るための対策も紹介しますので、マフラーをカスタマイズしている方は参考にしてください。

目次

バイク車検に通るマフラーの基準とは?

バイク車検では、マフラーの音量と排気ガスについて確認します。

どちらか一つだけの基準を満たしていても車検には通りません。
どちらの基準も満たして初めて車検に通ります。

ここでは音量と排気ガスに関する基準について解説します。

車検に通る音量は年式によって異なる

バイク車検に通る音量の規制は一律ではありません。

なぜなら、バイクの規制は数年ごとに新しく定められており、その都度新しい規制が全てのバイクに適用されるわけではないからです。

何年に製造されたかによって音量の規制が異なるため、自分のバイクの年式を確認しましょう。

ちなみに、1985年以前の古いバイクは旧車と呼ばれ、規制がないケースもあります。

社外マフラーは証明書(ガスレポ)必須

ガスレポとは「自動車排出ガス試験結果証明書」のことで、マフラーの排気ガスが基準値に収まっていることを証明する書類です。

1999年に制定された二輪車排出ガス規制により、社外マフラーに交換した場合に車検を受ける際はガスレポが必須となりました。

参考:JMCA(一般社団法人 全国二輪用品連合会) | 二輪車排出ガス規制について

純正マフラーは基準をクリアした上で販売しているため、ガスレポは必要ありません。

もしガスレポがない場合は、メーカーに問い合わせて再発行してもらいましょう。
再発行に必要な書類は、基本的に以下の通りです。

  • 車検証のコピー
  • マフラーのJMCA番号
  • 再発行手数料

ガスレポを再発行するには手数料がかかりますが、ガスレポが無いと社外マフラーへ交換した時に車検を受けることができません。

したがって、書類を紛失した場合は再発行必須です。
無くさないよう大切に保管しておきましょう。

バイク車検に適用される年式別の騒音基準一覧

先ほど、バイク車検では年式によって騒音基準が異なると解説しました。
続いて、以下にバイク車検の際に適用される年式別騒音基準をまとめます。

年式騒音基準
1985年以前に製造されたバイク音量規制なし
1986~2000年に製造されたバイク250cc以上 99db以下
2001年以降に製造されたバイク250cc以上 94db以下
2014年4月以降に製造されたバイク車種の基準値+5db以内
(基準値が79db以下ならば84db)
参考:国土交通省 | 自動車騒音規制の推移

冒頭でもお伝えしたとおり、1985年以前に製造されたバイクはいわゆる旧車と呼ばれるもので、音量の規制はありません。

ただし、1971年以降に製造されたバイクについては規制があるといえます。
メーカーが型式認定を受ける際、定常走行騒音と加速騒音走行の試験をクリアする必要があったためです。
このことから、実際には110dbを超える騒音はないといわれています。

1986年の規制により近接排気騒音の基準値は、250cc以上ならば99db以下と制定されました。
2001年以降に制定された基準値は250cc以上で94db以下です。

このくらいの時期からは、ほとんどのバイクで騒音が計測されるようになりました。
厳しい規制によって生産中止に追い込まれたバイクもあったようです。

2014年4月には、今までの厳しい規制とは反対に、車種の基準値プラス5dbまでの範囲ならOKと規制緩和されました。
この年代のバイクを持っていて数値が気になる方は、車検証の備考欄を確認してください。

なぜ2014年に規制が緩和されたのでしょうか。
その理由は日本が世界のルールに合わせたからです。

日本のバイク騒音規制は世界的に見ても非常に厳格でした。
それが国際的な調和を図ろうとする動きによって緩和されていったのです。

販売されているバイクは、メーカーがすでに加速走行騒音と近接排気騒音を測定し終わっています。
もしユーザー車検時の近接排気騒音とその数値が同じくらいならば、車検時の加速走行騒音も同等だろうという考えです。

この時の規制によって、バイクごとの基準値が定められました。

そして2016年4月20日には再び法改正があり、2016年10月以降に製造されたバイクに乗る際は、基準を満たしたマフラーであることを証明するマークが必要になりました。
下記のマークです。

  • JMCAマーク(全国二輪用品連合会が定めた基準を合格したマーク)
  • Eマーク(通称ヨーロッパ規格と呼ばれ、車検に対応しているのを示すマーク)
  • 「自」マーク(指定認証マーク)

国土交通省が発行しているチラシがありますので、よろしければ以下のページもあわせてチェックしてみてください。

国土交通省 | マフラー(消音器)に対する騒音対策

バイク車検時のマフラーの音量測定方法

バイク車検時のマフラー音量の測定方法は3つあります。

実際にライダーが車検で受けるものは1つだけですが、他にもバイクのマフラーの音量を測る方法があることは知っておいてください。

近接排気騒音

エンジンをかけた状態でバイクを停止させ、マフラーから斜め45度、50cm離れたところにマイクを置いてマフラーの最大音量を計測します。

実際にユーザー車検時に測る音量です。

参考:国土交通省 | 7. 近接排気騒音の測定方法(絶対値規制適用時)

定常走行騒音

最高出力のうち60%の回転数で走行した際に発生する騒音を、7.5m離れたところから測定します。

一定の速度で走っている時の音量です。

参考:国土交通省 | 別添 39 定常走行騒音の測定方法

加速走行騒音

一定の速度で走っている状態からアクセルを全開にした時に発生する騒音を、7.5m離れたところから測定します。

加速走行騒音と定常走行騒音は、メーカーが認定を受けるために必要な検査です。

参考:国土交通省 | 別添40 加速走行騒音の測定方法

バイク車検を通すためのよくある対策

バイク車検を通すためのよくある対策を4つ紹介します。

バッフルを装着する

バッフルとは、マフラーの先端や中に装着してバイクの騒音を抑えるためのものです。
簡単に取り外しができるため、かつては車検の時だけ装着し、車検が通れば外すというライダーもいました。

しかし、それでは車検の意味がないため、2010年4月に制作された自動車及び原動機付自転車において脱着式バッフルの装着が禁止されることとなりました。

参考:国土交通省 | マフラー(消音器)に対する騒音対策

溶接またはリベットで固定し、安易に取り外しができないようにすれば、バッフルを装着していても問題ありません。

布やウールなどの詰め物を入れる

昔からの手法として、布やスチールウールなどの詰め物をマフラーの中に入れて騒音を抑える方法があります。
たしかに騒音自体は抑えられるのですが、よく知られている方法のため車検時にチェックされやすいです。

もし詰め物を発見されたら、その日中に車検を通すのは難しいことを覚えておいてください。
脱着式バッフルのような規制があるわけではありませんが、車検の意味がなくなってしまうため、ほかの方法で対策しましょう。

JMCA認定マフラーにする

JMCAとは「全国二輪車用品連合会」のことで、二輪車メーカーが集まり、法で定められた基準値より厳しい基準を設けています。

参考:JMCA(一般社団法人 全国二輪車用品連合会)

JMCA認定を受けたマフラーは「基準をしっかりとクリアしたマフラー」として信頼性が高く、車検が通らないということはまずありません。

マフラーを交換する際は、JMCA認定プレートが付いたものを選びましょう。
これまでにお伝えしてきた3つの方法の中では、JMCA認定マフラーに交換するのがベストです。

純正マフラーで車検が通らないときの対策

純正マフラーで車検が通らない理由としては、マフラーの破損が考えられます。
対策としては以下の3つです。

  1. 破損箇所を修理する
  2. マフラーを交換する
  3. バイクを売る

破損箇所によっては溶接などで修理可能な場合があります。
もしくは車検対応のマフラーに交換してしまうのもひとつの手です。

ただし新しいマフラーに交換すると、当然ですが費用が発生します。
マフラーだけでも数万円かかり、さらに工賃もかかるため、交換せずにそのまま売ってしまう方がいいケースもあります。

もし売ることを検討される場合は、以下の記事で手順や高く売るコツなど解説していますので、あわせてご覧ください。

騒音基準に違反した場合の罰則

たとえ車検に通っていたとしても、バイクの騒音基準に違反した場合は罰則があります。
ここからは3つの罰則について解説します。

整備不良車両の運転の禁止違反

バイクの排気音が基準値よりも大きかった場合は整備不良車両とみなされ、以下の罰則があります。

  • 違反点数…2点
  • 反則金…7,000円(二輪)、6,000円(原付)

消音器不備の禁止違反

サイレンサーを改造したり取り外した場合は消音機不備とみなされ、以下の罰則があります。

  • 違反点数…2点
  • 反則金…6,000円(二輪)、5,000円(原付)

サイレンサーを切断したり、サイレンサーの騒音低減機構を取ったりしてはいけません。

騒音運転の禁止違反

正当な事情がなく空ぶかしや急速な加速によって騒音を発生させた場合は、騒音運転とみなされ、以下の罰則があります。

  • 違反点数…2点
  • 反則金…6,000円(二輪)、5,000円(原付)

これらの罰則に従わない場合は50万円以下の罰金が科せられ、さらに不正改造を行った作業者には最大で6ヵ月の懲役もしくは30万円の罰金が科せられてしまいます。

バイク騒音基準を守るのはマナーの一つです。周囲への影響を考え、騒音の発生を最小限に抑えましょう。

参考:WOKARIDER×福岡県警察 | STOP爆音走行!

バイク車検の騒音基準は必ず守ろう!

今回はバイク車検時に通るマフラーの音量や年式別の騒音基準を紹介しました。

バイクの車検においてマフラーの音量は重要なチェックポイントの一つです。
騒音基準を必ず守り、周囲の人たちに迷惑をかけないようにしましょう。

またマフラーのカスタマイズ以外にも、劣化や破損が騒音の原因となることもあります。
定期的なメンテナンスを行って安心安全なバイクライフを送れるように心がけてください。

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