バイクのフレームに歪みがあるとどうなる?歪みの原因や修理方法まで徹底解説

バイクのフレームは、バイクの性能や安全性に大きな影響を与える重要なパーツですが、長期間の使用や事故などで歪むことがあります。

軽度の歪みであれば影響は小さいですが、歪みによって溶接部に亀裂が入る場合もあるため注意が必要です。

本記事では、バイクのフレームに歪みがあるとどうなるのか、歪みの原因や判断方法、修理方法について詳しく解説します。

ぜひ最後までお読みください。

目次

バイクのフレームに歪みがあるとどうなる?

バイクのフレームに歪みが生じると、様々な問題が発生します。
よくある影響としては以下の5つです。

  • ハンドルのキレ角に違いがでたり、前輪と後輪がセンターからずれる
  • 操作が不安定になり、コーナリング時や高速走行時に不安定になる
  • 歪みによりわずかに亀裂が入っている場合は事故の大きさ以上にバイクが破損する可能性がある
  • タイヤの接地面が不均一になることでタイヤの偏摩耗が生じる
  • 振動が大きくなる場合があり長時間走行した際の疲労感が増す
  • 歪みの程度がひどいと、街中での通常の速度でもまっすぐ走りにくくなる
  • フレームに装着しているブレーキやサスペンションに通常と異なる摩耗が起きる

以上のように様々な問題が発生し、場合によっては事故につながる原因にもなります。
目視でわかるレベルで歪みが生じている場合は、できれば乗らないでおきましょう。

バイクのフレームに歪みが生じる原因

バイクのフレームが歪む主な原因は以下の2つです。

  • 転倒による衝撃
  • 金属疲労

それぞれ詳しく解説します。

転倒による衝撃

最も大きなダメージを与えるのは、車と衝突した、またはガードレールに突っ込んだなどの事故ですが、立ち転けの繰り返しでも歪む場合があります。

速度が出ていない状態での転倒は、倒れた際の衝撃がダイレクトに車体に伝わるからです。
転倒時の傷や故障を防止するエンジンスライダーなどをつけられている方もいますが、転倒の仕方によっては逆にダメージを与えることもあります。

なぜならエンジンスライダーのような突起物があることで、転倒した際、一点に衝撃が集中するからです。
立ち転けが多い方については、教習車についているようなガードをおすすめします。 

金属疲労

フレームの材質や種類によっても異なりますが、金属疲労によりバイクのフレームに歪みが生じる場合もあります。

悪路を走行したり、ハードなブレーキングを繰り返したりするような過度の荷重を与える頻度が多い場合は、歪みが生じやすいです。
具体的には、オフロード走行やサーキット走行などが挙げられます。

街中で普通に走行する程度であれば、そこまで負担はかからないため、走行に支障のある歪みが生じることはあまりないと考えて良いでしょう。

バイクのフレームに歪みがあるか判断する方法

フレームに歪みがあるか判断する方法は以下の3つです。

  • 目視で確認する
  •  走らせて確認する
  • 特殊な測定器で確認する

目視で確認する

まずは、目視でチェックしてみましょう。
具体的なチェックの仕方は以下の通りです。

  1. センタースタンドまたはメンテナンススタンドでバイクを直立状態にする
  2. バイクの正面と後ろから中心線に対して歪みがないか確認
  3. 溶接箇所に亀裂がないか確認
  4. 各パーツの取付位置がズレていないか確認

ハンドルは転倒によって比較的歪みやすいので、フレームの歪みを確認する際は同時にチェックしてみてください。

なお、この方法では各種パーツの取付の仕方によっても歪んで見える場合がありますので、あくまで簡単なチェック方法とお考えください。

不安な場合はバイクショップに点検を依頼しましょう。

走らせて確認する

目視で違和感がない場合は、実際に走らせて確認する方法もあります。
確認するポイントは主に以下の3点です。

1.直線走行時にバイクが左右に振れないか
2.カーブを曲がる際に、バイクが思うように曲がらない、または不自然な挙動を示していないか
3. 走行中に異常な振動や異音がしないか

全開走行はせず、注意しながら走るようにしましょう。

古いバイクの場合はステアリング付近のガタなどによっても、上記の現象が発生する場合もあります。
不安な場合はバイクショップに点検を依頼してください。

特殊な測定器で確認する

測定器は主に以下のようなシーンで利用されています。

  • バイクショップが中古車を仕入れた際のフレームチェックをするとき
  • 競技走行をする方がパフォーマンスを最大限に引き出すためのカスタムをするとき

この方法で測定すると、スイングアームやフォークといった部分的なよじれや、車体全体のよじれなどが確認できます。
また、チェーンラインや前後タイヤのセンターのズレなども計測可能です。

一般的な走行のみの方には関係ないように思えますが、この方法が最も精度高く判定できるため、おすすめです。
また、バイクショップで行うことになるので、状況に応じて適切なアドバイスがもらえます。

レッドバロンでは独自の『ACIDAM』という測定器を導入していますが、その他の店舗で導入されているのは『GMD』という測定器です。(日本で導入されているのは数店舗のみ)

オーストラリア製の非常に高性能な測定器で、様々なデータが取得できます。
プロにチェックしてもらうことで、安心してバイクに乗りたい方にはおすすめです。

バイクのフレームに歪みがある場合の選択肢

前述の方法でバイクのフレームに歪みが確認された場合の選択肢は主に以下2パターンです。

  1. 歪みがひどい場合は廃車また部品取りにする
  2. 歪みが軽度なら修理する

歪みがひどい場合は廃車また部品取りにする

フレームの歪みが深刻な場合、安全を考慮してバイクを廃車にするか、部品取りとして利用することを考えましょう。

安全面だけでなく、ひどい歪みを修正するような場合は修理費用も高額になるためです。
フレームのみ中古または新品で購入し、パーツをすべて組み直すこともできますが、レストアを趣味としている方以外はおすすめできません。

したがって、廃車にしてしまうか、部品取りとしてオークションにそのまま出品してしまうのがおすすめです。
それでも人気のある絶版車であれば、それなりの金額で売れます。

歪みが軽度なら修理する

軽い歪みであれば修理も現実的です。

状況によっては、すぐに修理しなくても問題ない場合があります。

修理すべきか否かの判断は知識と経験が必要ですので、普段からご自身でレストアをされている方でない限り、プロに相談いただくのがおすすめです。

バイクのフレームの歪みを修理する方法と料金

廃車にはせず、修正して乗り続けたい方に向けて、修理する方法と料金のイメージをお伝えします。

プロに依頼して修理する

プロの業者に依頼した場合、基本的には以下の手順で修理が行われます。

1. 診断:測定器を使ってフレームの歪みを正確に診断
2. 修正:専用の治具や機械を使って、フレームの歪みを修正
3. 確認:再度測定してフレームが正確に修復されたかを確認

料金は歪みの程度やバイクの種類、フレームの材質によっても異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度かかります。
歪みそのものを修正せず、歪みによって発生した亀裂を溶接する程度であれば、数千円〜数万円程度で修理可能です。

DIYで修理する

あまりおすすめはできませんが、DIYで修理する方法もあります。
DIYで修理する場合の手順は以下の通りです。

1. 必要工具の準備:レーザーやハンマー、クランプなどの工具を用意
2. 固定:バイクスタンドなどを利用してバイクを固定
3. 分解:歪みを確認しやすくするためにパーツを分解
4. 確認:レーザーなどを利用して歪みを確認
5. 修正:力をかけすぎないよう注意しながら慎重に歪みを修正

DIYであれば数千円〜数万円で修理可能ではありますが、専門知識と技術が必要になります。
また、あくまで簡易的な測定のため、きちんと修復できているかがわかりにくい点に注意が必要です。

バイクのフレームの歪みを修理できる関東の業者5選

バイクのフレームの歪みを修理できる、関東の業者を5つ紹介します。

MOTO SHOP WING

MOTO SHOP WINGは、埼玉県越谷市にあるバイクショップです。
他店で購入した車両や修理困難と診断された車両なども受け付けています。

修理技術の高さから、関東で人気なバイクショップのひとつです。

タイヤ交換、オイル交換等の軽整備だけでなく、旧車のレストアやエンジンのフルオーバーホールまで対応している業者ですので、安心して依頼できます。

なお、違法改造車や暴走族を連想させる容姿(三段シート、ロケットカウル等)の修理は受け付けていないようですので、ご注意ください。

>> MOTO SHOP WING公式HPはこちら

秋葉モーターサイクル

秋葉モーターサイクルは、神奈川県大和市にあるバイクショップです。

幅広いサービスを提供しており、車検や法定点検、一般修理はもちろん、フレーム修正やリアサスペンションのオーバーホール、溶接や機械加工、ワンオフパーツ製作まで対応しています。

このバイクショップの特長のひとつは、高精度な車体姿勢計測機(G.M.D.COMPUTRACK)を導入していることです。
これにより、改造や事故による車体の不安を抱えるお客様に対しても的確なアドバイスとサービスを提供しています。

国産・外車問わず、他店で購入・改造されたオートバイも受け入れている点も魅力です。

>> 秋葉モーターサイクル公式HPはこちら

オートショップヤマナカ

オートショップヤマナカは、東京都足立区にあるバイクショップです。
フレームの修理だけでなく、ホンダ・ヤマハ・スズキの新車や中古車の販売、点検整備、修理、カスタムに対応しています。

その他、各種保険やレッカー業務、部品販売などに対応していますが、他社で購入したパーツや友人からもらったパーツでも取付してもらえる点が魅力です。

フレーム修正と同時に他のパーツを持ち込んで取付してもらいたい場合には、おすすめのショップといえます。

>> オートショップヤマナカ公式HPはこちら

ホンダウイングドリームハウス

ホンダウイングドリームハウスは、千葉県松戸市にあるバイクショップです。
ホンダ車をメインに販売、修理、カスタム、買取を行っているショップですが、カワサキ、スズキ、ヤマハの国内他3社メーカーや外国メーカーも対応しています。

30年以上こちらのショップに修理を依頼している方もいることから、信頼のおけるバイクショップといえるでしょう。

修理技術の高さだけではなく、親身に相談に乗ってくれることにも定評がありますので、近くの方は一度相談してみることをおすすめします。

>> ホンダウイングドリームハウス公式HPはこちら

エムエスセーリング

エムエスセーリングは、千葉県市川市にあるバイクショップです。

関東運輸局認証工場を完備している、カワサキの正規取扱店となっています。
スタッフが更新している作業日記は更新頻度も高く、修理の依頼数が多いことが伺えます。

メーカー問わず修理は受けつけているものの、作業内容によってはお断りする場合もあるようです。
なお、スクーター系の修理は受け付けていないようですので、ご注意ください。

>> エムエスセーリング公式HPはこちら

>> エムエスセーリングの作業日記はこちら

バイクのフレームの歪みはプロに相談しよう

バイクのフレームに歪みがある場合、プロに相談することが最善の方法です。

専門的な知識と技術を持った業者に依頼することで、安全かつ確実に修理を行うことができます。

フレームに歪みを感じたら早めにプロへ相談し、適切な対処を行い安心・安全なバイクライフを楽しみましょう。

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