バイクの寿命を伸ばすには、適切な方法で保管をすることが大切です。
特に、長期間乗る機会のない場合、管理の仕方によっては、大切な愛車の劣化を早めてしまうかもしれません。
本記事では、バイクを保管する5つの方法と、それぞれのメリット・デメリット、保管前にやるべきことや保管中の注意点について解説します。
バイクの保管で失敗したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
バイクを保管する方法5選!それぞれのメリット・デメリット
バイクの保管方法にはさまざまな選択肢があります。
代表的な方法は以下の5つです。
- バイクカバー
- 簡易車庫
- ガレージ保管
- バイクショップへ預ける
- バイク用レンタルコンテナを利用する
それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
バイクカバー
バイクカバーのメリットは手軽さです。
上から被せるようにカバーをかけるだけで、雨やホコリからバイクを保護できます。
1万円あれば分厚くて丈夫かつ内側が起毛でできているカバーを購入できますので、止められる場所のスペースに余裕がない方におすすめです。
(2,000円〜3,000円程度のカバーだと強く雨が降ったときにバイクが濡れたり、内側が起毛になっていないことで傷ついたりしますので、ご注意ください。)
一方でデメリットとしては、風が強いとカバーが飛ばされてしまったり、バイクが倒れたりすることです。
また、しばらく乗らない期間が続いた際に、下から砂埃を巻き込んで意外とバイクが汚れます。
場所がない場合は仕方ないのですが、長期的に保管したい場合は他の手段を選ぶのがおすすめです。
簡易車庫
簡易車庫のメリットは、ガレージより低コストで、カバーよりも安全にバイクを保護できることです。
また、バイクカバーのように毎回傷に気をつけながら被せる手間もなく、隙間風も入りにくいというメリットもあります。
車庫のように一度設置したら移動できないということもないため、手軽さもあるのが魅力です。
デメリットは耐久性で、台風などの悪天候時に耐えられない可能性がある点に注意しなければなりません。
バイクカバー同様、無名の安い簡易車庫だとより耐久性が低いため、使用する場合は注意が必要です。
ガレージ保管
バイク乗りなら誰もが憧れたことのあるガレージ保管のメリットは、短期でも長期でも保管に最適な環境であることです。
- 鍵付きシャッターや防犯カメラ、鍵を併用してしっかり防犯対策ができる
- どんなに悪天候でも全く影響を受けない
- ある程度の広さがあればメンテナンスもできる
- 排水設備があればガレージ内で洗車もできる
以上のようなたくさんのメリットがあります。
一方でデメリットとなるのは設置場所と費用です。
そもそも土地が確保できなければガレージは作れません。
また、ガレージ本体の費用も安くて100万円以上はかかってくるでしょう。
とはいえたくさんのメリットがありますので、土地と費用が確保できる方にはおすすめです。
バイクショップへ預ける
「冬季にバイクカバーで保管するのも心もとないな…」
「かといってガレージもないし…」
そんな方におすすめなのが、バイクショップへ預ける保管方法です。
バイクショップによっては保管と同時にオプションでメンテナンスサービスをお願いできる場合もあります。
また、定期的にエンジンをかけたり、バッテリーの管理をしてもらえたりするため、自分でこまめな管理をするのが難しい方や場所が確保できない方におすすめです。
一方で費用がかかること、バイクの持ち込み、受取に手間がかかることはデメリットと言えます。
しかし、費用については1万〜2万円程度で半年間預けられるため、そこまでネックにはならないでしょう。
バイク用レンタルコンテナを利用する
バイク用のレンタルコンテナを利用するという方法もあります。
メリットは、ガレージを導入する土地と費用がなくても、ガレージ同様の環境で保管できることです。
バイクを置いてもスペースに余裕があるので、ヘルメットやジャケットなども一緒に保管できます。
また、いつでも自由にバイクの取り出しをできる点がメリットです。
一方で、月額料金がかかる点や立地によってはアクセスが不便な場合がある点がデメリットといえます。
車の青空駐車場を借りるよりも高い場合があり、長期的にみるとかなり費用がかさむ可能性があります。
バイクを保管する前にやるべきこと
バイクを長期間保管する場合は、以下の準備が必要です。
- ガソリンを満タンにして添加剤を入れる
- キャブレター車の場合はガソリンを抜く
- 洗車する
- タイヤの空気圧を高めにする
- ワイヤーやチェーンへ注油する
- ゴムパーツを保護する
- バッテリーを外す
- 屋外保管の場合は盗難対策する
それぞれ詳しく解説します。
ガソリンを満タンにして添加剤を入れる
バイクを保管する際は、ガソリンを満タンにし、フューエルワンなどの添加剤も入れておきましょう。
ガソリンタンクに空気が入っている状態で保管すると、結露が発生してタンク内部の錆の原因となる可能性があるからです。
添加剤を入れておくことで、半年から一年程度は酸化や腐食によるガソリンの劣化を防止できます。
キャブレター車の場合はガソリンを抜く
キャブレター車の場合、長期的な保管をする際には事前にガソリンを抜いておきましょう。
キャブレター内のガソリンが劣化すると、金属を溶かしてパーツが腐食してしまったり、エンジンがかからなくなったりするためです。
なお、抜いたガソリンは必ず専用の容器に入れて、ガソリンスタンドで破棄してもらうようにしましょう。
洗車する
バイクに汚れや水分が付着した状態で長期間放置していると、車体に錆びつきが起こったり塗装が劣化して色褪せたりする恐れがあります。
また、錆が原因でパーツが故障してしまい、交換を余儀なくされるケースも珍しくありません。
洗車後はしっかりと乾燥させて、車体に水分がついていない状態で保管することが大切です。
タイヤの空気圧を高めにする
タイヤの空気圧は高めにしておきましょう。
乗っていなくてもタイヤに負荷がかかり、徐々に空気圧が下がることがあるからです。
また、できればメンテナンススタンドを使ってタイヤと地面を接地させないように保管することをおすすめします。
重いバイクであるほど、動かさない状態で保管するとタイヤが変形する可能性があるからです。
メンテナンススタンドを保有していない場合は、定期的にタイヤの設置面を変えるようにしましょう。
ワイヤーやチェーンへ注油する
保管前にワイヤーやチェーンに注油を行うことで、錆の発生を防止可能です。
錆びが進行したまま放置していると、ワイヤーやチェーンが断裂して大きな事故につながる危険性があります。
また、注油することで可動部が固まらず、スムーズな動作を維持できます。
長期間の保管後に安全に愛車に乗るためにも、ワイヤーやチェーンのメンテナンスは怠らないようにしましょう。
ゴムパーツを保護する
タイヤやフロントフォークのダストシール、ハンドルまわりのゴム部品などは劣化しやすい箇所です。
特に、乾燥しやすい冬場はゴムパーツの劣化速度が速くなります。
KUREの「ラバープロテクタントスプレー」などを利用して、しっかりと保護しておきましょう。
バッテリーを外す
バッテリーはバイクを走らせることで蓄電し、状態を維持しているため、長期間走らせていないと自然放電が起こり、バッテリーが上がってしまう可能性があります。
そのため、バイクを保管する際はバッテリーを外して通電しないようにしておきしょう。
また、外したバッテリーは室内で保管し、定期的に充電するようにしてください。
ただし、2〜3ヶ月以内にバイクを動かす予定があるのであれば、わざわざ外しておく必要はありません。
屋外保管の場合は盗難対策する
屋外保管の場合は盗難リスクが高いため、対策を施しておく必要があります。
バイクにカバーをかけて車種をわからなくしたり、二重で鍵をかけたりするだけでも盗難には十分有効な対策です。
厳重なロックがかかっているのが一目でわかるようにしておくことでも、盗難の抑止につながります。
バイクを保管している間の注意点
バイクを保管している間の注意点は以下2点です。
- 定期的に状況をチェックする
- 湿気が溜まらないようにする
定期的に状況をチェックする
長期間何もせずにバイクを放置していると、汚れが付着していたり、タイヤの空気が抜けてタイヤが変形していたりする場合があります。
定期的に状況をチェックし、付着した汚れを落としたり、空気圧を適正に整えタイヤを回転させたりしておきましょう。(タイヤを同じ場所に留めると変形するおそれがあるため)
また、できれば時々エンジンをかけてバイクを少し走らせることもメンテナンスの一貫です。
ほかにも、バイクカバーで保管している場合は、しっかり固定できているかなども確認しておきましょう。
湿気が溜まらないようにする
湿度の高いところでの保管は、バイクに錆びや腐食を発生させる原因となります。
特に、梅雨の時期にはバイクに湿気が溜まりやすくなるので注意が必要です。
対策としては、通気性に優れたバイクカバーをかけたり、ガレージに換気口や換気扇をつけたりすることが挙げられます。
ほかにも、土や砂利の上で保管している場合は、下にすのこを敷いたり、バイクの付近に除湿剤や竹炭などを置いておくのも効果的です。
バイクは適切な方法で管理しよう
今回は、バイクを保管する方法や保管時の注意点について紹介しました。
バイクは保管状態が悪いと、乗っていなくても劣化が進んでしまいます。
特に、外的要因を受けやすい場所で保管していると、雨にさらされたり、風で倒れてしまったりして大切な愛車に傷をつけてしまうかもしれません。
また、バッテリーが上がってしまったり、ガソリンタンクに錆びができてしまったりといったトラブルの発生リスクもあります。
愛車と長く付き合うためにも、日頃のメンテナンスや保管方法には十分注意を払いましょう。